スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

論集第13号刊行のお知らせ

『近代文学合同研究会論集』第13号
特集 昭和一〇年代の芥川龍之介

2017年2月15日発行 頒布価格1000円+送料   ※通信販売の方法は末尾に記載

巻頭言
 今回の論集は、二〇一五年一二月に開催された近代文学合同研究会シンポジウム「昭和一〇年代の「芥川龍之介」――「文学のふるさと」を視座にして――」を基にしたものである。昭和一六年発表の坂口安吾「文学のふるさと」では、「全然モラルのない作品」への評価と「そこで突き放されて」「プツンとちよん切られた空しい余白に、非常に静かな、しかも透明な、ひとつの切ない「ふるさと」を見ないでせうか」の一節の情緒的感触が中心化され、そこに安吾の文学観の本質が見出される一方で、このテクストが孕むねじれや過剰さは注目されなかった。また、そこで引用された芥川の遺稿も必ずしも正確なものではなく、「解釈」されたものであった。そこでの「芥川龍之介」には様々な「書き換え」が加えられていたのである。先のシンポジウムは、「文学のふるさと」に浮上したそのような「芥川龍之介」を中心に、作家の固有領域を越えて連関する表現の位相と同時代性の問題を考えるものであった。同時にそこでは「文学のふるさと」のみに視点を限定せず、そこに引用された芥川の遺稿やテクスト、同時代の他の安吾テクスト、太宰治「お伽草紙」等の多様な視点から立体的に考察を展開し、活発な議論が交わされた。芥川テクストについても、安吾の引用と実際のテクストとのずれを検証しつつ、そこで展開された問題系を新たに対象化する必要性が確認された。 
 芥川龍之介は、その遺されたテクストと同時に、作家像や文学性、視覚表象等の多様な形態において、死後もなお消費され続けた存在であった。宮本顕治「「敗北」の文学」(『改造』昭四・八)に代表されるように、死の直後から文学的・社会的象徴性がそこに投影され、そのイメージは記号的に広く流通したのだが、先のシンポジウムおよび今回の論集は、昭和一〇年代という、芥川の死から一旦「遅れた」地点からそのイメージを見返すことで、従来の論が捕捉し得なかった領域を対象化することを目指したものである。各論者の視点は多様であり、そこでの「芥川龍之介」像自体も決して統一的なものではないが、この論集は、昭和一〇年代の文学空間で消費された現象としての「芥川龍之介」のあり方を様々な角度から浮き彫りにするための試みの第一歩である。


目次

特集 昭和一〇年代の芥川龍之介

方法論としての「文学のふるさと」
     ――坂口安吾における「芥川龍之介」 /大原祐治
坂口安吾「文学のふるさと」から読む芥川龍之介の自殺
      ――「歯車」と見せ消ちとしての遺稿 /小谷瑛輔
戦時下の芥川論から太宰治『お伽草紙』に響く〈肯定〉
――山岸外史・福田恆存・坂口安吾の「批評」を触媒にして /小澤純
室生犀星編『芥川龍之介読本』(昭和十一〔一九三六〕年刊)
     ――想い出から文学史へ―― /五島慶一
複数的固有名としての「街」を歩くこと
     ――伊藤整「幽鬼の街」の「女」と〈作家〉たち /副田賢二

◇論集バックナンバー総目次はこちら

◇通信販売について
【頒布方法】
1)「問い合わせフォーム」より、お名前、ご住所、希望の号数と冊数をお知らせください。
2)郵便局で以下の振替口座に論集代と郵送費をお振込みください。入金の際には通信欄に「論集○号代」とご記入ください。
 口座番号:00160―1―266888(郵便振替)
 口座名義:近代文学合同研究会(キンダイブンガクゴウドウケンキュウカイ)
3)入金を確認次第、論集をお送りします。発送は「ゆうメール」を使用します。

【頒布価格】
論集1冊 1000円+送料215円  計1215円
  2冊 2000円+送料300円  計2300円
  3冊 3000円+送料350円  計3350円
※4冊以上の価格はお尋ねください
※振込手数料はご負担ください

◇「近代文学合同研究会」では、会員、各イベントの参加者を募集しています。近代日本文学の研究に携わっておられる方であれば、どなたでもご参加頂けます。入会・イベントへの参加をご希望される方はこちらのメールフォームよりお気軽にご連絡ください。
合同研論集13号表紙
スポンサーサイト

コメント

非公開コメント

ご紹介

近代文学合同研究会

「近代文学合同研究会」は、主に東京近郊の近代日本文学を専攻する大学院生有志が集まって、1995年7月に活動を開始しました。現在、学習院大学、慶應義塾大学、中央大学、立教大学などの大学院生を中心に、四十名程度の会員が参加しています。基本的に自主参加・自主発表を旨とし、月に一度程度の研究発表会や読書会、また年に一回のシンポジウムを中心に、様々な活動を行っています。今後も研究発表・論文批評・読書会の場として、会員の自主的な活動に基づいて活動していきたいと思っています。

「近代文学合同研究会」では、会員、各イベントの参加者を募集しています。近代日本文学の研究に携わっておられる方であれば、どなたでもご参加頂けます。
メールはこちらからお送りください。

カテゴリー

カウンタ

ブログ内検索

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。