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若手研究者集会のお知らせ

近代文学合同研究会 若手研究者集会

 この度、近代文学合同研究会は、大学院生・若手研究者の発表の場、また世代を越えた研究者の相互研鑽の場として「若手研究者集会」を開催いたします。近代文学合同研究会のモットーである、開かれた・そしてフラットな関係性の討議の場としたいと考えております。発表者、参加者ともに会員・非会員の別を問いません。
 幅広い世代の研究者にご参加いただきたくご案内申し上げます。

近代文学合同研究会 「若手研究者集会」
日時 : 2016年7月18日(月・祝) 13時より18時まで ※終了後懇親会を開催予定
場所 : 立正大学 品川キャンパス 9号館地下1階 9B11教室
   ※JR山手線 大崎駅または五反田駅から、徒歩5分程
   ※正門横の警備員さんに「近代文学合同研究会の参加者です」と申し出てください。
    また「地下1階」となっていますが、正門横を地下1階と見なしますので、同じフロアになります。
  立正大学へのアクセス
  http://www.ris.ac.jp/access/shinagawa/index.html
  立正大学 品川キャンパスマップ
http://www.ris.ac.jp/introduction/outline_of_university/introduction/shinagawa_campus.html
研究発表 :
相澤芳亮(立正大学博士課程四年)「永代美知代「少女小説サマー、ハウス」考」
木下弦(早稲田大学高等学院非常勤講師)「色川武大『怪しい来客簿』の成立過程をめぐってー「私小説」と「私ノンフィクション」の接点ー」(仮)
高田知佳(北海道大学修士課程一年)「水村美苗『母の遺産―新聞小説―』における「外国」のトポロジー」(仮)
山崎和(千葉大学博士課程一年) 「『季刊思潮』と水村美苗」
ディスカッサント:内藤千珠子(大妻女子大学)
司会:服部徹也(慶應義塾大学博士課程四年)

「近代文学合同研究会」は、主に東京近郊の近代日本文学を専攻する大学院生有志が集まって、1995年7月に活動を開始しました。基本的に自主参加・自主発表を旨とし、研究発表会や読書会、また年に一回のシンポジウムを中心に、様々な活動を行っています。現在までに『近代文学合同研究会論集』計12号を発行しました。今後も研究発表・論文批評・読書会の場として、会員の自主的な活動に基づいて活動していきたいと思っています。

「若手研究者集会」は今回が初めての試みです。学会発表とゼミナール内発表の中間程度のスケール感の発表の場、世代や所属の垣根を越えた研鑽と交流の場を作りたいという趣旨でスタートしました。発表希望者がいれば次回以降も企画していきたいと考えております。発表を希望される方は下記までお問い合わせ下さい。
(服部徹也 tetsuya◎coda.ocn.ne.jp ※左記アドレスの◎を@に変えて下さい)

近代文学合同研究会
http://goudouken.blog66.fc2.com/
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論集第12号刊行のお知らせ

『近代文学合同研究会論集』第12号 特集 大学生と文学

2016年1月30日発行予定 頒布価格1000円+送料   ※通信販売の方法は末尾に記載

目次

特集 大学生と文学

手記のなかのヒロイズム――樺美智子・奥浩平・高野悦子―― 石川巧
帝大生と『文学論』――漱石講義の受講ノート群をめぐって―― 服部徹也

自由論文

大東亜共栄圏というモダニズム――春山行夫・エリオット・西田幾多郎―― 村山龍
漱石の父・母の「家」――馬場下横町の名主・内藤新宿の質屋―― 余吾育信
序文をめぐる人々――依田学海『学海日録』を素材として―― 富塚昌輝


◇論集バックナンバー総目次はこちら

◇通信販売について
【頒布方法】
1)「問い合わせフォーム」より、お名前、ご住所、希望の号数と冊数をお知らせください。
2)郵便局で以下の振替口座に論集代と郵送費をお振込みください。入金の際には通信欄に「論集○号代」とご記入ください。
 口座番号:00160―1―266888(郵便振替)
 口座名義:近代文学合同研究会(キンダイブンガクゴウドウケンキュウカイ)
3)入金を確認次第、論集をお送りします。発送は「ゆうメール」を使用します。

【頒布価格】
論集1冊 1000円+送料215円  計1215円
  2冊 2000円+送料300円  計2300円
  3冊 3000円+送料350円  計3350円
※4冊以上の価格はお尋ねください
※振込手数料はご負担ください

◇「近代文学合同研究会」では、会員、各イベントの参加者を募集しています。近代日本文学の研究に携わっておられる方であれば、どなたでもご参加頂けます。入会・イベントへの参加をご希望される方はこちらのメールフォームよりお気軽にご連絡ください。

論集バックナンバー総目次

『近代文学合同研究会論集』バックナンバー総目次

※通信販売についてはこちら
※「近代文学合同研究会」では、会員、各イベントの参加者を募集しています。近代日本文学の研究に携わっておられる方であれば、どなたでもご参加頂けます。入会・イベントへの参加をご希望される方はこちらのメールフォームよりお気軽にご連絡ください。

第1号 新人賞・可視化される〈作家権〉 2004.10
新人賞の力学―一つのノート / 葉名尻竜一 著
〈作家権〉の構造―昭和十年代の『文芸春秋』と新人賞をめぐって / 副田賢二 著
芥川・直木賞創設と菊池寛の虚無感――評論・随筆等に見る菊池後期の〈文学〉観―― / 西山康一 著
武者小路実篤の〈真人〉時代について / 古賀康人 著
芥川賞の反響――石川達三「蒼氓」の周辺―― / 原卓史 著
宛て名指された川端康成~檀一雄の「夕張胡亭塾景観」「美しき魂の告白」と太宰治の「海」 / 大國眞希 著
呼び寄せられた作家「池谷信三郎」――池谷信三郎賞設立にみる昭和十年前後の「文学」状況―― / 西川貴子 著
講談社的〈作家権〉ビジネスの一様相―野間文芸奨励賞とその周辺― / 五島慶一 著
石原慎太郎「太陽の季節」と〈作家権〉 / 松村良 著
三島由紀夫〈伝説〉と芥川賞の行方 / 杉山欣也 著

第2号 <手紙>としての「物語」 2005.10
<文学>化されゆく<手紙>――メディア言説に見る<手紙>への認識の布置 / 黒田俊太郎 著
「構造物」としての<遺書>――夏目漱石『心』試論―― / 松村良 著
芥川作品と献辞――『窓』『子供の病気』『梅花に対する感情』その他―― / 五島慶一 著
<手紙>というオブセッション――葉山嘉樹の<手紙>表現をめぐる一考察―― / 副田賢二 著
投函された「出すつもりのない」<手紙>――川端康成『波千鳥』の<手紙>をめぐって―― / 三浦卓 著
研究ノート『ねじまき鳥クロニクル』における手紙~あるいは、「僕」の立っている場所 / 三浦昌子 著
研究ノート作者への手紙/作者からの<手紙>――手塚治「ブラック・ジャック」におけるメタ=フィクション―― / 五島慶一 著

第3号 <講談社>ネットワークと読者 2006.12
対米開戦前夜の『少年倶楽部』と読者たち / 五島慶一 著
太平洋戦争開戦前後の『キング』掲載小説をめぐる一考察――その「採掘」イメージの構造と意味 / 副田賢二 著
<私たちだけの世界>の行方――『少女の友』の読者ネットワークと川端康成―― / 三浦卓 著
戦後の「少年クラブ」のゆくえ / 松村良 著
舞城王太郎とライトノベルを巡る考察 / 守屋貴嗣 著

第4号 展示される文学――人・モノ・記憶 2007.10
展示と観覧の間――「カーライル博物館」論―― / 富塚昌輝 著
付加〈商品価値〉としての顔と筆跡――書物の価値と円本全集「附録」の役割をめぐって―― / 高島健一郎 著
「展示」としての処女作――「文芸時代」同人処女作号について / 松村良 著
痕跡としての「文学」――文芸懇話会における文学〈展示〉の様相 / 副田賢二 著
文学展示に人は何を求めているのか、或いは「文芸評論家」展の成立する理由――「奥野健男」展を観て考えたこと―― / 五島慶一 著
石の上の〈文学〉――谷崎潤一郎文学碑からの考察―― / 日高佳紀 著
寺山修司研究ノート――作劇におけるモノと修辞に向けて―― / 葉名尻竜一 著

第5号 想像力がつくる<戦争>/<戦争>がつくる想像力 2008.12
<軍国の少年>の過去・現在・未来――『少年倶楽部』と満州事変―― / 松村良 著
直木三十五の<戦争未来記>――自称「フアシスト」の戦争文学(1) / 杉山欣也 著
「従軍」言説と<戦争>の身体――「支那事変」から太平洋戦争開戦時までの言説を中心に―― / 副田賢二 著
<皇民文学>と<戦争>――王昶雄「奔流」ノート―― / 和泉司 著
「陶酔の境」への想像力――井伏鱒二「遙拝隊長」について / 大原祐治 著
「となり町戦争」論ノート――豊かで偏頗な「僕」の想像力 / 五島慶一 著

第6号 批評のスタイル/創作のスタイル 2009.12
『出版月評』の〈批評〉論・二――小説を〈批評〉すること―― / 富塚昌輝 著
「フィクション」に魅せられた者たち――蓮實重彦『「赤」の誘惑』を読む―― / 山本亮介 著
自由論文 テクノロジーとしての「正義」――平田晋策「昭和遊撃隊」論―― / 松村良 著

第7号 高度成長と文学 2010.12
豊かさの証明と追随する者の悲劇――松本清張「拐帯行」から成長の構図を批評する試み―― / 大塩竜也 著
なぜ写真家か――大江健三郎『洪水はわが魂に及び』と高度成長下の写真表現 / 服部訓和 著
高度成長する「国土」とその「未来」像―小松左京における「未来」表象を中心に / 副田賢二 著
高度成長とゴジラ―文化象徴の多義性 / 松村良 著
自由論文 『1Q84』における80年代言説とその受容 / 師田昌子 著

第8号 高度成長の終焉と1980年代の文学 2011.12
筒井康隆「大いなる助走」論 / 和泉司 著
山田双葉と山田詠美―一九八〇年代文学論ノート / 野中潤 著
象徴空間としての〈部屋〉と高度成長―その物語機能の変容と「闇」の表象を中心に / 副田賢二 著
八〇年代論への端緒としてのライトノベル―野村美月『"文学少女"と死にたがりの道化(ピエロ)』― / 三浦卓 著
寺山修司の短歌、その鑑賞ノート――野田秀樹を補助線として―― / 葉名尻竜一 著
原発と「不死なるもの」――「平成ゴジラ映画」ノート / 松村良 著

第9号 いま、『浮雲』を読む/考える 2012.12
『浮雲』論の前提 / 高橋修 著
〈浮雲〉という物語 / 富塚昌輝 著
「某学校」という文三の選択――明治初期、文部省型育英奨学制度の変遷を軸に / 黒田俊太郎 著
「浮雲」で笑う / 日比嘉高 著
『女学雑誌』における婚姻論と文体のテリトリー――『浮雲』お勢をきっかけに―― / 小平麻衣子 著
研究ノート 『浮雲』執筆直前の二葉亭のロシア文学観 / 小林実 著

第10号 10号記念自由論文特集 2013.12
森鷗外「青年」の基底的構図――反=自然主義としてのAutonomie―― / 新井正人 著
〈豚〉をめぐるディスクール――宮澤賢治「〔フランドン農学校の豚〕」論―― / 村山龍 著
戦前期『サンデー毎日』における女性性の機能――その身体イメージと「軍隊」との連関構造を中心に / 副田賢二 著
「非現実的な見方」の困難――川端康成・創元社版『雪国』をめぐって―― / 三浦卓 著
〈戦後〉の始め方――太宰治「パンドラの匣」論 / 大原祐治 著
自己反省としての風景と音――山川方夫「夏の葬列」と浅田次郎の「蝉の声」 / 大國眞希 著
世代論的文学史の終りとハルキ・ワンダーランド / 松村良 著
研究ノート 芥川龍之介「舞踏会」論のために / 五島慶一 著

第11号 戦前期の週刊誌研究 : 『サンデー毎日』を中心に 2014.12
白井喬二「新撰組」論―『サンデー毎日』から『現代大衆文学全集』へ / 原卓史 著
消費される「女性」表象とエキゾティシズム―戦前期『サンデー毎日』におけるイメージ消費・再論 / 副田賢二 著

第12号 大学生と文学 2016.1
手記のなかのヒロイズム――樺美智子・奥浩平・高野悦子―― / 石川巧 著
帝大生と『文学論』――漱石講義の受講ノート群をめぐって―― / 服部徹也 著
自由論文. 大東亜共栄圏というモダニズム――春山行夫・エリオット・西田幾多郎―― / 村山龍 著
自由論文. 漱石の父・母の「家」――馬場下横町の名主・内藤新宿の質屋―― / 余吾育信 著
自由論文. 序文をめぐる人々――依田学海『学海日録』を素材として―― / 富塚昌輝 著

論集の通信販売について

【頒布方法】
1)「問い合わせフォーム」より、お名前、ご住所、希望の号数と冊数をお知らせください。
2)郵便局で以下の振替口座に論集代と郵送費をお振込みください。入金の際には通信欄に「論集○号代」とご記入ください。
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  口座名義:近代文学合同研究会(キンダイブンガクゴウドウケンキュウカイ)
3)入金を確認次第、論集をお送りします。発送は「ゆうメール」を使用します。

【頒布価格】
論集1冊 1000円+送料215円  計1215円
  2冊 2000円+送料300円  計2300円
  3冊 3000円+送料350円  計3350円
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近代文学合同研究会第15回シンポジウム開催のお知らせ

  近代文学合同研究会第15回シンポジウム
  日時:二〇一五年十二月十二日(土)午後二時より
  会場:慶応義塾大学三田キャンパス 南校舎五階四五二教室 
   http://www.keio.ac.jp/ja/access/mita.html

テーマ: 昭和十年代の「芥川龍之介」―「文学のふるさと」を視座にして―

  「芥川龍之介」の使い方―方法論としての「文学のふるさと」 大原 祐治
  普及版全集「〔題未定〕」に見る芥川龍之介の晩年      小谷 瑛輔
  昭和十年代の「芥川龍之介」と太宰治『お伽草紙』      小澤  純

 ディスカッサント:副田 賢二
 司会:服部 徹也

【シンポジウム主旨】

 昭和一六年に発表された坂口安吾の「文学のふるさと」では、その「全然モラルのない作品」への評価と、「そこで突き放されて」「プツンとちよん切られた空しい余白に、非常に静かな、しかも透明な、ひとつの切ない「ふるさと」を見ないでせうか」の一節の情緒的感触が中心化され、そこに安吾の文学観の本質が見出される一方で、このテクストが孕むねじれや過剰さには目が向けられてこなかった。また、そこで引用された芥川龍之介の遺稿も必ずしも正確に再現されたものではなく、その執筆時点で「解釈」されたものであった。そこでの「芥川龍之介」は様々な「書き換え」を加えられたものであって、そのイメージの可変性・可塑性こそが、昭和十年代の〈文学〉をめぐる問題を照らし出す手がかりになると考えられる。
 今回のシンポジウムでは、「文学のふるさと」に浮上した「芥川龍之介」像を中心に、作家の固有領域を越えて連関する表現の位相と同時代性の問題を考えたい。ただ、「文学のふるさと」のみに視点を限定せず、そこに引用された芥川の遺稿やそれ以前のテクスト、同時代の他の安吾テクスト、「お伽草紙」等の太宰治のテクスト等の多様な視点から立体的に考察を展開、交錯させることを目指す。芥川テクストについても、安吾の引用と実際のテクストとのずれを検証しつつ、そこで展開された問題系を新たに対象化する。中でも、今回新たな視点として、昭和四年刊行の『芥川龍之介全集』別冊及び九年刊行の普及版全集第九巻が、安吾や太宰等の多くの文学者に共有されることで生まれた読書空間という角度から検証を加え、葛巻義敏との関係も含めて、芥川テクスト受容史の新たな側面を明らかにしたい。また、昭和十年代の安吾や太宰の小説テクストにおける「昔話」の方法論やその表現的連関についても考えたい。芥川龍之介は、そのテクストと同時に、作家像や文学性、視覚表象等の多様な形で消費された存在であった。宮本顕治「敗北の文学」(『改造』昭四・八)に代表されるように、自殺直後から文学的象徴性がそこに投影され、そのイメージは記号的に広く流通したのだが、今回は昭和十年代という、芥川の死から一旦「遅れ」た地点からそのイメージを見返すことで、従来論が捕捉し得なかった領域を対象化することを目指すものである。3名のパネラーの視点は多様であるが、そこで昭和十年代の文学空間において消費された、現象としての「芥川龍之介」のあり方を浮き彫りにしたい。

【発表要旨】 

 ●「芥川龍之介」の使い方―方法論としての「文学のふるさと」      大原 祐治

 坂口安吾の文学全般を体現するものと見なされることの多いエッセイ「文学のふるさと」(一九四一)だが、実際のところ、その内容はあくまで創作の方法をめぐる具体的な提言である。そして、その中核部分に配置されていたのが、芥川龍之介の遺稿であった。
 もっとも、安吾がこの遺稿に言及するのはこれが初めてのことではなく、「女占師の前にて」『吹雪物語』(ともに一九三八年)といった小説の中に、この遺稿への言及が見出される。そして、当該遺稿を含む芥川龍之介とその文学的営為に対する評価は、「文学のふるさと」の場合とは微妙に異なっている。没後にその表象が一人歩きし始めていた芥川の遺稿を積極的に〈利用〉することによって、安吾は自らの文学観をどのようにして確立させたのか? 小説「紫大納言」(初出一九三九、改稿版一九四一)の改稿に関する考察を通して考えてみたい。

●普及版全集「〔題未定〕」に見る芥川龍之介の晩年            小谷 瑛輔

 坂口安吾は「女占師の前にて」(昭和十三年)、「吹雪物語」(昭和十三年)、「文学のふるさと」(昭和十六年)で繰り返し芥川龍之介の遺稿に触れ、その芥川イメージから自己の文学観を語ろうと試みた。この芥川の遺稿自体については、これまで詳しく検討されてはこなかったが、安吾の記憶するものとは異なる形で芥川晩年の問題を伝えている。本発表では、この遺稿から読み取れる芥川晩年の問題を検討することによって、それを“誤読”した安吾の問題意識を浮き彫りにするための手がかりを示したい。

●昭和十年代の「芥川龍之介」と太宰治『お伽草紙』           小澤  純

 坂口安吾による芥川への言及は、普及版芥川龍之介全集刊行と前後して起こった芥川表象のインフレからは外れた時期のものだ。しかしその遅れによって、「文学のふるさと」(昭和十六年)は同時代の芥川受容にメスを入れたのではなかったか。一方、昭和十年に設立された芥川賞をめぐってメディアに躍り出た太宰治は、渦中において芥川像を異化しつつ、その後も息長く芥川文学の読み換えを試みた。本発表では、安吾を起点としつつ、芥川「教訓談」(大正十二年)・「桃太郎」(大正十三年)等と太宰の『お伽草紙』(昭和二十年)の比較を通して、昔話や説話を戦時下に語り直す意味について考察する。

ご紹介

「近代文学合同研究会」は、主に東京近郊の近代日本文学を専攻する大学院生有志が集まって、1995年7月に活動を開始しました。現在、学習院大学、慶應義塾大学、中央大学、立教大学などの大学院生を中心に、四十名程度の会員が参加しています。基本的に自主参加・自主発表を旨とし、月に一度程度の研究発表会や読書会、また年に一回のシンポジウムを中心に、様々な活動を行っています。今後も研究発表・論文批評・読書会の場として、会員の自主的な活動に基づいて活動していきたいと思っています。

「近代文学合同研究会」では、会員、各イベントの参加者を募集しています。近代日本文学の研究に携わっておられる方であれば、どなたでもご参加頂けます。
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